新世代CULV級ノート比較。
このクラスはインテルの圧力もあってか、
セキュリティ機能が省かれてたり、
液晶解像度がHD(1,366 x 768px)、光学ドライブ無しが暗黙の了解になっている。
液晶の上下視野角も例外無く狭い。
見る角度が少しでも上からだと白ボケし、下からだと黒潰れるので、
姿勢が変わるごとに液晶の角度調整が要る。
低価格とはいえこのクラスは、
・無線n対応
・青歯
・有線GbE
・HDMI出力
・13型以上はフルサイズキーボード
が当たり前なので、
この記事で触れない場合、これらは付いてるものと判断して頂いて結構。
最初に、この記事で登場するCPU周りだけ解説しておく。
インテル製:
①Core i5-430UM(1.2GHz、Turbo Boost時1.73GHz)
②Core i3-330UM(1.2GHz。ここまでがHT(論理4コア)対応で、ここからはTB無し。)
③Pentium U5400(1.2GHz)
④Celeron U3400(1.06GHz。ここまで全てデュアルコアでSpeedStep有)
L3キャッシュは、①~③が3MB、④が2MBである。
グラフィックの高画質補正は、①、②が「Intel Clear Video HD Technology」まで、
③、④が「Intel Clear Video Technology」のみ対応となる。
お決まりの注意書きだが、
インテル製の超低電圧CPU以外だと、厳密にはCULVとは言わない。
AMD製:
⑤Turion II Neo K625(1.5GHz)
⑥Athlon II Neo K325(1.3GHz。ここまでがデュアルコアでTDP15W。)
⑦Athlon II Neo K125(1.7GHz、TDP12W)
⑤のCPUの性能は、インテルの前世代(Core 2 Duo SU9400辺り)に近いものがある。
しかしこれら⑤~⑦と組み合わされるチップ内蔵グラフィックのRadeon HD 4250は、
・3D描画のDirectX 10.1
・フルHD動画再生支援のUVD2
・GPGPUのATI Stream(対応ソフト(現状は殆ど無い)では動画エンコードが高速になる)
に対応するのがウリ。
○NEC LaVie M(直販名はLaVie G タイプM。13.3型光沢液晶):
・ワイヤレス地デジ(今の処、旧モデルでのみ)
・HDD+SSDの2ストレージ構成
を選択できるのが特徴。
CPUは②Core i3-330UMを採用し、
Mバッテリ時が1.61kgでカタログ駆動5時間、
標準のLバッテリ時が1.79kg、同10.5時間。
実駆動はLバッテリで最大7時間といった処。
WiMAXを標準搭載するが、青歯とeSATAは無し。
USBの1つは、PC電源OFFでも通電。
PCを外付けHDDの様に使えるUSB Duet機能あり。
UIでは、キーボードがストローク3ミリと深く、中央で少したわむ。
タッチパッドは左右ボタン同時押しで手書き文字を受け付ける。
筐体の厚さは27-30.5ミリで、排熱、静音性は特に問題無し。
△富士通 LIFEBOOK PHのAMDモデル(PH520/1A。11.6型光沢液晶):
インテルモデル(PH540/1A、Celeron SU2300)との共通事項は、
・Win7 Home Premium 「32ビット」のみ
・WiMAX無し
・有線100BASE
・eSATA無し
・キーボードは、水滴が浸入し難い「バスタブ構造」
一方、インテルモデルからの変更点は、
・重量1.6kg⇒1.4kg
・筐体厚26.4-30.2ミリ⇒25.9ミリ(フラット)
・キーピッチ19ミリ⇒17.5ミリ
・HDMI端子装備
・BBenchは約3.5時間(輝度50%、バッテリ残5%)
・RADEONを利用した「くっきり機能」
など。
搭載する⑦AMD Athlon II Neo K125ってのはクロックが1.7GHzと高く、
Radeon HD 4225(チップ内蔵)とあわせて、
YouTubeの720pをCPU使用率50%程度(Flash 10.1+対応するディスプレイ・ドライバ)でこなす。
以前なら、ハードな作業をしないモバイルにはこの様なシングルコアCPUでも充分だった。
しかし重武装のセキュリティ対策をしていると、
広告のFlashが意味無く重くのしかかるページが最近増えており、
(まぁ、良い子なら行かない類のサイトなんだがねーw)
そんなのに遭遇するとシングルコアでは「ただ待つしかない」という状況に陥ってしまう。
そんな時、デュアルコアなら、他のソフトで「ながら作業」も出来るし、
最悪、ブラウザの強制終了もスムーズに行える。
○東芝 dynabook MX(11.6型光沢液晶):
②Core i3-330UMまたは④Celeron U3400を搭載し、
重量1.48kg、17.6-26.2ミリの薄型筐体。
カタログ駆動は②、④どちらも6.4時間だが、
この機種はバックライトOFF(これでもそこそこ画面は見えるが)をJEITA測定に含めてるせいか、
普通に使用した実駆動と、カタログ駆動との乖離が、他機種より大きい印象を受けた。
OSはWin7 Home Premium 「32ビット」のみ。
キーボードは、[FN]と[半/全]キー位置に慣れが要るが、タッチは悪くない。
ネジ1本でメモリとHDDにアクセスでき、堅牢性ではHDDプロテクションを備える。
接続性ではWiMAXが標準搭載なのとeSATAがある代わりに、
有線が100Baseだったり、青歯も見当たらない。
冷却ファン音は、左の排気口付近で僅かに聞こえる程度で、
キーボード左側は、若干熱を持つ。
スピーカーは、筐体の大きさを考慮すれば悪くない。
価格的には、
全機種Office Personal 2010(Word、Excel、Outlook)付属ってトコも考慮する必要あり。
○SONY VAIO Y(13.3型光沢液晶):
CPUを
①Core i5-430UM
②Core i3-330UM
④Celeron U3400
から選べ(直販)、本体1.78kgになるSバッテリ時に、②でBBenchが5時間弱。
(この他、カタログ駆動が7⇒10時間となるLバッテリも選べる)
CULV機の光沢液晶では最も低反射コートが効いている。
この機種で言われてる輝度ムラも、数値で見れば大した事ないと思う。
それでも画面下半分が白ボケるという苦情が多いのは、
低反射な分、CULV機にありがちな上下視野角の狭さが目立ってしまうのだろう。
キータッチは悪くないが打刻音は大きめ。
接続性ではExpressCard/34を備えるのが特徴で、
WiMAXとeSATAは無し。
買ったばっかで怖いので、Turbo Boostだけは切らせてもらったが、
連続高負荷でも筐体表裏の全てが、体温以下に保たれていた。
ただ冷却ファンの回り始めだけは、高周波が気になる。
まぁカラバリ目当てで買う機種でしょう。
○lenovo IdeaPad U160(11.6型光沢液晶):
筐体は、奥行が193ミリと小さいのが特徴で、
厚さは最薄22.5ミリながら、後ろの方がバッテリーの分だけ、33.5ミリと比較的厚い。
キーピッチは18.5ミリで、e-SATAも付いてる。ここまでが共通事項。
直販モデルは
①Core i5-430UM
②Core i3-330UM
からの選択でWiMAX無し。
店頭モデルは③Pentium Dual Core U5400を搭載し、
1.40Kg(重量は直販モデルも同じ)でBBenchは3.6時間(「バランス」モード、バッテリ残5%)。
こちらはWiMAX標準装備。
ところで、ThinkPadの保証が7/1から見直された。主な変更点は
①ハードウェア故障以外の無料電話相談が、購入後30日間へと短縮された。
②土日受付がなくなった。
である。
①は拡張保証に加入すれば、保証期間中は無料で受けられる(今までと変わらない)し、
ThinkPad本体を安くしてまで保証に加入させたいのは、実質親会社のIBMに貢ぐ目的もあるだろう。
(本体安く、数が出れば、部品仕入で圧倒的優位に立てるという構造も、この業界にはある。)
しかし変更発表後、即施行な制度なだけに、
6/30以前の購入にも適用するってのは、明らかに消費者との契約違反だ。
レノボジャパン程の企業が、
発表後一年の執行猶予を置いてこの事態を回避しなかったのが不思議でならない。
ある程度、知名度のある企業なら、「マスコミ沙汰にするぞ!」と脅されるだけで対応も変わって来るし、
ウチの会社にもその手の脅しで解雇になった社員が居るので企業イメージの大切さは解ってるつもりだが、
今のレノボにはその企業イメージすら、考える余裕が無いのだって事は心しておきたい。
・HP Pavilion dm1a(11.6型光沢液晶):
発売前の為、実機見てない。
⑦Athlon II Neo K125を搭載し、1.53kgでカタログ駆動6.5時間。
メモリはオンボードが1GBで埋まっており、残りの1スロットを利用する形。
直販モデルは128GB SSD。
接続性は有線100BASE、WiMAX無しで、店頭モデルは更に青歯無し。
富士通 LIFEBOOK PHのAMDモデル同様の「くっきり機能」を謳う。
△DELL Inspiron M301z(13.3型光沢液晶):
24ミリ厚(ほぼフラット)の薄型筐体が特徴。
CPUは
⑤Turion II Neo K625
⑥Athlon II Neo K325
から選べ、1.77kgで⑤だとBBenchは3時間2分(電源「バランス」、画面輝度40%、残5分)。
CULV系ノートは一律、液晶の上下視野角が狭い訳だが、
この機種の様にディスプレイが130度程しか開かないものは、膝上使用が難しい。
キーボードはストロークこそ浅いがクリック感はシッカリしており、たわみもない。
[Enter]や[BackSpace]キーの位置は一番右じゃないが、[Enter]は大きめ。
タッチパッドの面積は広く、パッドの有効/無効を切り替えるボタンも付いてる。
接続性は、アナログRGBを省き、デジタル2系統(HDMIとMini DisplayPort)としている。
有線100BASEでWiMAXも無し。eSATA共有ポート有。
薄型筐体ながらこの機種は、どちらかと言うと冷却重視で、
⑤Turion II Neo K625で連続高負荷やらかしても、
筐体の40℃超えは底面奥の中央付近だけだった。
ファンスケジュールが煩雑じゃないのが救いだが、静かな方ではない。
スピーカ出力全般にイコライザー的な処理を行える「SRS Premium Sound」を備えるので、
動画サイトで音楽を聴くのに重宝する。
○ASUS UL20FT(12.1型液晶):
本日発売な為、実機見てないが、ハッキリ言ってASUSなら、
大きな問題は無いだろう。
CPUは④Celeron U3400ながら、
設定によってCPUとメモリを自動的に、最大約33%オーバークロックするという独自性は、
デスクトップ・マザーの世界シェア7割が伊達じゃない事を思い知らされる。
そんなこんなで筐体サイズ的には、前作UL20Aの厚さ25.9ミリフラットから、
25.1-30.9ミリへと若干厚くなっている(重さは変わらない)。
カタログ駆動は6.1時間。
有線は100BASEのままの様だが、新たにHDMI出力も付き、
大ヒットしたUL20Aから、汎用性を高めたモデルチェンジと言えそう。
○acer Aspire TimelineX 3820T(13.3型光沢液晶):
搭載するCore i5-450M(2.4GHz、TB / HT有)は
低電圧CPUですらない為、正確にはCULV機じゃない。
しかし、1.8kgでBBenchが6時間程度(輝度低め)、22-28.9ミリの薄型筐体ってのは、
価格が数倍もするレッツノートS9 / N9やdynabook RX3には脅威であろう。
流石にファン音は、従来機程、静かじゃない。
[Enter]キーの位置は一番右じゃない。
WiMAXやeSATAは無し。
フルHDのお洒落なモニタが2万円足らずで買える昨今、
この3820Tの登場で、
縦解像度768ドットの15.6型ノートが一気に存在意義を失ってしまった。
それら15型は店頭でも価格コムでもデカイ面してる訳だから、影響力は計り知れない。
ただacerは、次に記述するGateway共々、サポートが期待できない。
問題があっても自分で情報を集められる方(自ずと別PCが必要になる)向きなので、
この3820Tには、
「フルパワー+長時間駆動+13型+低価格」の尖兵としての役割を期待したい。
残念ながら、店頭でちょこっと見ただけ。
11.6型のEC19C-N52C(青と銀の2種)と、13.3型のEC39C-N52Bがある。
両サイズとも①Core i5-430UMで6時間駆動を謳い、
11.6型は1.35kgで筐体厚25-28.9ミリ、
13.3型は1.75kgながら厚さ19.1ミリ(その為こちらだけ、HDDが1.8インチっぽい)を「謳う」薄型筐体。
WiMAXやeSATAは無し。
13.3型には、Vostro V13という16.5-19.7ミリ厚の機種があったが、
あちらが日本ではシングルコアCPU、1.4GHz止まりなのを考えると、
面白い存在ではある。
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